CASE STUDY

AI活用を見据え、Google Workspace中心のIT環境をMicrosoft 365へ段階的に再構築

Google Workspace、Dropbox、Slackなどに分散していた約40名規模のIT環境について、将来的なAI活用を前提にMicrosoft 365 Business Premiumを中核として再設計。Entra ID、Intune、Defender for Businessによる認証・端末・セキュリティ統合、SharePointへの情報集約、Exchange Online・Teamsへの段階移行を行い、Microsoft 365 CopilotとAI Agentから社内情報を安全に活用できるIT基盤を構築した事例。

業種
金融・証券
従業員数規模
約40名
拠点数
1拠点+リモートワーク
地域
東京

導入前のお客様環境

Google Workspaceを中心に、複数のクラウドサービスを組み合わせて業務を行っていました。

  • メール:Google Workspace(Gmail)
  • カレンダー:Googleカレンダー
  • ドキュメント管理:Dropbox
  • チャット・コミュニケーション:Slack
  • Office:PCごとに導入されたMicrosoft Office
  • Windows端末管理:端末ごとの個別管理
  • Windowsログイン:ローカルアカウント等による個別管理
  • PCセキュリティ:Windows標準機能やPC付属セキュリティソフトなどが混在
  • 認証基盤:サービスごとに個別管理
  • 専任IT担当者:不在

それぞれのサービスは日常業務で問題なく利用されていましたが、ユーザー、権限、端末、情報が複数サービスへ分散しており、IT環境全体を一元的に管理できていない状態でした。

また、過去の案件資料や業務資料は蓄積されていたものの、情報の保存場所が分散していたため、

  • 誰が必要な資料を持っているのか分からない
  • 過去の類似案件を探すのに時間がかかる
  • 過去の知見を他の社員が十分に活用できない

といった課題もありました。

ご相談いただいた内容・お客様の悩み

生成AIの業務利用が広がる中で、単にChatGPTなどのAIサービスを社員が個別に利用するのではなく、自社で蓄積してきた案件資料や業務情報をAIから安全に活用できる環境を構築したいというご相談をいただきました。

将来的には、AIへ質問して情報を検索するだけでなく、AI Agentを利用して定型業務の一部を自動化することも想定していました。

一方で、現在利用しているGoogle Workspace、Dropbox、Slackなどはそれぞれ業務に定着しており、一度にすべてを変更すると社員への影響が大きくなります。

また、金融関連業務を行う企業として、AI活用だけを先行させるのではなく、Windows端末管理、認証、アクセス権限、エンドポイントセキュリティについても見直す必要がありました。

特に以下の要望がありました。

  • 自社資料をAIから検索・活用したい
  • AIを利用して業務効率を高めたい
  • 将来的にAI Agentによる業務自動化を行いたい
  • 現在の業務への影響をできるだけ抑えて移行したい
  • Windows端末を一元管理したい
  • PCのセキュリティ状態を把握できるようにしたい
  • ユーザー認証とアクセス権限を整理したい
  • 社内情報を適切な権限の範囲でAIから利用したい
  • 金融関連業務に求められるセキュリティ対策を強化したい
  • 専任IT担当者を配置せずに運用できる環境にしたい

課題と実施内容

THEME 01

複数のSaaSへ認証・情報・権限が分散している

Google Workspace、Dropbox、Slackなどを個別に利用しており、ユーザーや権限、社内情報をIT基盤全体として管理できていませんでした。

課題の内容

導入前は、それぞれの用途に適したクラウドサービスを組み合わせて利用していました。

各サービス単体では問題なく運用できていたものの、利用サービスが増えるにつれて、ユーザー作成・削除、アクセス権限、アカウント管理などをサービスごとに行う必要がありました。

また、業務情報についても、

  • メールはGmail
  • ファイルはDropbox
  • コミュニケーションはSlack
  • スケジュールはGoogleカレンダー

というように分散していました。

通常業務だけを考えれば大きな問題ではありませんでしたが、AIが社内情報を横断して利用する環境を作る場合、この情報の分散が大きな課題となります。

提案方針

単純にGoogle WorkspaceをMicrosoft 365へ置き換えるのではなく、最初に現在利用しているSaaS、ユーザー、端末、情報、権限、セキュリティ対策を整理しました。

その上で、

  • Google Workspaceを継続する構成
  • Microsoft 365を中心へ移行する構成

を比較しました。

Windows端末管理、エンドポイントセキュリティ、Microsoft Office、認証、情報管理、Microsoft Copilot、将来的なAI Agentまで含めて検討した結果、Microsoft 365 Business Premiumを中核としたIT基盤へ段階的に移行する方針としました。

この提案を採用いただいた理由

Google Workspaceを継続することも技術的には可能でした。

しかし、AIだけではなくWindows端末、セキュリティ、認証、Office、ドキュメント管理まで含めて考えると、Microsoft 365を中心に統合することで管理対象を減らしやすくなります。

また、AIが利用する情報基盤とユーザーの認証・アクセス権限をMicrosoft 365上で連携できることも重要な判断材料となりました。

IT環境全体を調査し、Microsoft 365を中心に再設計

  • 利用中SaaSの棚卸し
  • ユーザー・アカウントの整理
  • 共有設定・アクセス権限の確認
  • Windows端末の利用状況確認
  • PCセキュリティ環境の確認
  • Google Workspace継続案との比較
  • Microsoft 365移行計画を作成
  • 一括移行ではなく段階移行方式を採用
#Microsoft Entra ID#Microsoft 365 Business Premium#Google Workspace#Dropbox#Slack
RESULT

複数サービスを個別に管理する環境から、Microsoft 365を中心としたIT基盤へ

サービス単位でITを考えるのではなく、認証、端末、セキュリティ、情報管理、AI利用を含めて全体構成を整理しました。

これにより、現在必要なIT環境だけでなく、将来的なAI利用まで含めた段階的な移行方針を定めることができました。

THEME 02

Windows端末を統合的に管理できていない

PCごとにWindowsログインやOffice、セキュリティ対策が異なり、会社として端末の状態を把握できない環境でした。

課題の内容

Windows端末は社員ごとに利用されていましたが、端末管理の共通基盤がありませんでした。

Windowsへのログイン方法、Officeの導入状況、セキュリティソフトなども端末によって異なっており、

  • どの端末を誰が利用しているのか
  • セキュリティ対策が適切に行われているか
  • 必要な設定が適用されているか

を会社側で統合的に把握することが難しい状態でした。

特に金融関連業務を行う上では、ネットワークだけでなく実際に業務を行う端末についても一定の状態を維持する必要があります。

提案方針

Microsoft 365 Business Premiumを導入し、Entra ID、Intune、Defender for Businessを利用してWindows端末とユーザーを統合管理することを提案しました。

この提案を採用いただいた理由

Microsoft 365 Business Premiumには、Officeだけでなく、ユーザー認証、端末管理、エンドポイントセキュリティに必要な機能が含まれています。

複数の製品を個別に導入するのではなく、Microsoft 365を共通基盤として管理できる点を評価いただきました。

Entra ID・Intune・DefenderによるWindows端末管理

  • Microsoft 365 Business Premiumを導入
  • Microsoft Entra IDでユーザー・グループを管理
  • Windows端末をEntra IDと連携
  • IntuneへWindows端末を登録
  • 端末管理ポリシーを設定
  • Defender for Businessを導入
  • エンドポイントセキュリティ状態を管理
  • Microsoft 365 AppsへOffice環境を統一
#Microsoft Entra ID#Microsoft 365 Business Premium#Microsoft Intune#Microsoft Defender for Business#Microsoft 365 Apps
RESULT

ユーザー・Windows端末・セキュリティを統合管理

利用しているWindows端末とユーザーを紐付けて管理できるようになりました。

端末ごとに異なっていた管理方法を統一し、

  • 利用端末の把握
  • セキュリティ状態の確認
  • セキュリティポリシーの適用
  • Office環境の標準化
  • Microsoft 365への共通認証

を行えるようになりました。

THEME 03

過去の案件資料をAIで活用できる情報基盤がない

Dropboxには多くの業務資料が蓄積されていましたが、AIから効率的に検索・利用することを前提とした情報構成にはなっていませんでした。

課題の内容

社内には過去の案件資料や業務資料が多く蓄積されていました。

しかし、必要な資料を探す際には保存場所やファイル名を人が把握している必要があり、

「過去に似た案件があったはずだが、どこにあるのか分からない」

といった状況が発生していました。

生成AIを利用すれば情報検索を効率化できる可能性がありますが、単純にAIを契約するだけでは、社内にある情報を適切に利用することはできません。

提案方針

Dropboxで管理していた業務資料をSharePointへ移行し、Microsoft 365の認証・権限管理と情報管理を統合しました。

単純にフォルダをコピーするのではなく、AIによる情報検索・参照を前提としてSharePointサイトやドキュメント構造についても整理しました。

この提案を採用いただいた理由

SharePointへ情報を集約することで、Microsoft 365のユーザー認証・権限とドキュメントのアクセス権限を連携できます。

AI導入後も、本来そのユーザーがアクセスできない資料をAI経由で参照させないことが重要であり、その前提となる情報基盤を整備できることが評価されました。

DropboxからSharePointへ業務資料を移行

  • Dropbox内のデータを整理
  • SharePointサイト構成を設計
  • ドキュメント保存場所を整理
  • アクセス権限を再確認
  • 業務資料をSharePointへ移行
  • AI検索を意識した情報構成へ整理
#Microsoft 365#Microsoft Entra ID#Dropbox#SharePoint Online
RESULT

社内資料とユーザー権限を同じ基盤で管理

業務資料をSharePointへ移行したことで、Microsoft 365のユーザー・グループ情報とドキュメントアクセス権限を連携できるようになりました。

AI利用だけでなく、通常の情報管理についても、誰がどの情報へアクセスできるかを整理しやすい環境となりました。

THEME 04

社内資料を利用したAI検索・文書作成を実現したい

一般的な生成AIだけでなく、自社に蓄積された過去案件や業務資料をもとに回答できるAI環境が必要でした。

課題の内容

ChatGPTなどの一般的な生成AIは、文章作成や一般情報の検索には便利ですが、企業内部にある過去案件の経緯や独自の業務資料を自動的に理解しているわけではありません。

実際の業務効率化には、自社がこれまで蓄積してきた情報をAIから利用できる必要がありました。

提案方針

SharePointへの情報移行後、Microsoft 365 Copilotを導入し、Microsoft 365上の情報をAIから活用できる環境を構築しました。

Microsoft 365 Copilotを業務へ導入

  • Microsoft 365 Copilotを導入
  • SharePoint上の業務資料をAI活用
  • 過去案件検索へ利用
  • ドキュメント要約へ利用
  • 社内情報をもとにした文書作成へ利用
  • 過去資料に関する質問・情報検索へ利用
#Microsoft 365#SharePoint Online#Microsoft 365 Copilot
RESULT

フォルダを探す業務から、AIへ質問して情報を探す業務へ

これまで社員がフォルダ構成やファイル名を頼りに探していた情報について、AIを利用して検索・確認できるようになりました。

例えば、

  • 過去に類似した案件の確認
  • 過去案件の概要把握
  • 長い資料の要約
  • 既存資料をもとにした文書作成

などへ利用できるようになりました。

AIが一般情報だけではなく、自社が蓄積してきた業務情報を活用できるようになったことで、実際の業務に即したAI利用が可能となりました。

THEME 05

メール・カレンダーもAIから利用できる環境にしたい

業務資料はSharePointへ移行しましたが、メールと予定はGoogle Workspace側に残っており、業務情報が2つの基盤へ分かれていました。

課題の内容

業務上の重要な情報はファイルだけではありません。

顧客とのやり取り、案件の経緯、判断内容などはメールにも多く含まれています。

また、予定や会議などの情報も業務上重要です。

SharePointのみをMicrosoft 365へ移行しても、GmailとGoogleカレンダーが残ったままでは、AIから利用できる情報が限定されます。

提案方針

次の段階として、GmailをExchange Onlineへ、GoogleカレンダーをOutlookカレンダーへ移行しました。

利用者への影響を抑えるため、Microsoft 365への移行は一括ではなく段階的に進めました。

Gmail・GoogleカレンダーをMicrosoft 365へ移行

  • Gmailの既存メールデータを移行
  • Exchange Onlineへメール環境を移行
  • GoogleカレンダーをOutlookカレンダーへ移行
  • メールドメイン設定を変更
  • MXレコードを切替
  • SPF等のメール関連DNS設定を変更
  • 移行後のメール送受信を確認
#Google Workspace#Microsoft 365 Copilot#Exchange Online#Outlook#Gmail#Googleカレンダー
RESULT

メール・予定・ドキュメントをAIから横断的に利用できる環境へ

メールとカレンダーもMicrosoft 365へ移行したことで、SharePoint上のドキュメントだけでなく、メールや予定を含めたMicrosoft 365上の業務情報をAI活用へつなげられる環境となりました。

情報の保存場所を意識して個別に検索するのではなく、業務情報全体から必要な情報を探しやすくなりました。

THEME 06

社内コミュニケーションもMicrosoft 365へ統合したい

Slackが別サービスとして残っていたため、チャットやコミュニケーション情報についてもMicrosoft 365へ統合する必要がありました。

課題の内容

SharePoint、Exchange Online、Outlookへ移行した後も、社内コミュニケーションにはSlackが利用されていました。

Slack自体には問題はありませんでしたが、認証、情報管理、AI活用という観点では、Microsoft 365とは別の基盤として管理する必要があります。

提案方針

最終段階としてSlackからMicrosoft Teamsへ移行し、チャット、会議、ファイル共有、メール、カレンダーを同じMicrosoft 365基盤上へ統合しました。

SlackからMicrosoft Teamsへ移行

  • Teams利用環境を構築
  • チーム・チャネル構成を整理
  • 社内チャットをTeamsへ移行
  • オンライン会議をTeamsへ統合
  • Microsoft 365アカウントによる認証へ統一
#Microsoft 365#Microsoft Entra ID#Slack#Microsoft Teams
RESULT

日常業務で利用する主要サービスをMicrosoft 365へ統合

最終的に、

  • Exchange Online
  • Outlookカレンダー
  • SharePoint
  • Teams
  • Microsoft 365 Apps
  • Entra ID
  • Intune
  • Defender for Business
  • Microsoft 365 Copilot

を同じMicrosoft 365環境で利用できるようになりました。

アカウント、端末、コミュニケーション、情報管理をまとめて管理できることで、IT運用も簡素化されました。

THEME 07

AIを情報検索だけではなく、実際の業務処理へ利用したい

AIへの質問や文書作成支援だけでなく、定型的な業務をAI Agentによって効率化したいという要望がありました。

課題の内容

Microsoft 365 Copilotによって社内情報を検索・要約できるようになりましたが、AI活用をさらに進めるためには、社員が繰り返し行っている定型作業そのものを効率化する必要があります。

そのためには、AIだけを追加するのではなく、AIが利用する情報や認証、アクセス権限、コミュニケーション基盤が整理されている必要があります。

提案方針

Microsoft 365への統合後、SharePoint、メール、Teamsなどに蓄積された業務情報を利用して、業務用途に応じたAI Agentを構築しました。

Microsoft 365上の業務情報を利用するAI Agentを構築

  • SharePoint上の業務情報を活用
  • メール情報を活用
  • Teams上の業務情報を活用
  • 過去案件情報の検索支援
  • 定型的な情報整理をAIで支援
  • 定型業務をAI Agentへ組み込み
  • ユーザー権限を考慮した情報利用
#Microsoft 365#Microsoft 365 Copilot#Exchange Online#SharePoint#Teams#AI Agent
RESULT

AIを追加機能ではなく、日常業務の一部として利用できる環境へ

社内情報基盤そのものをAI活用に適した形へ整理したことで、AIを単なるチャットツールとして利用するだけではなく、実際の業務処理へ組み込める環境となりました。

AIが利用できる情報とユーザー権限が整理されているため、今後も業務内容に応じてAI Agentを追加・拡張できる基盤となっています。

関連して実施した見直し

今回のプロジェクトでは、Google WorkspaceをMicrosoft 365へ移行すること自体を目的とはしませんでした。

最初に、

  • 将来どのようにAIを利用したいのか
  • AIがどの情報を利用するのか
  • 誰がどの情報へアクセスできるのか
  • どの端末から利用するのか
  • 端末の安全性をどのように維持するのか

を整理しました。

その上で、認証、端末、セキュリティ、ドキュメント、メール、カレンダー、コミュニケーションをMicrosoft 365へ段階的に統合しました。

一度に環境全体を変更するのではなく、

  1. Microsoft 365 Business Premium導入
  2. Entra ID・Intune・Defenderによる端末管理
  3. DropboxからSharePointへの移行
  4. Microsoft 365 Copilot導入
  5. Gmail・Googleカレンダー移行
  6. SlackからTeamsへの移行
  7. AI Agent導入

という順番で進めることで、日常業務への影響を抑えながらIT基盤を再構築しました。

導入した全体構成

Microsoft 365基盤

  • Microsoft 365 Business Premium
  • Microsoft Entra ID
  • Microsoft Intune
  • Microsoft Defender for Business
  • Microsoft 365 Apps

情報共有・コミュニケーション

  • SharePoint Online
  • Exchange Online
  • Outlook
  • Microsoft Teams

AI活用

  • Microsoft 365 Copilot
  • AI Agent
  • SharePoint上の社内業務資料
  • Exchange Online上のメール情報
  • Teams上の業務情報

導入後、全体としてどう変わったか

導入後の変化

「複数SaaSを組み合わせたIT環境」から「AI活用を前提とした統合IT基盤」へ

導入前はGoogle Workspace、Dropbox、Slack、PCごとのMicrosoft Officeなど、用途に応じて複数のサービスを利用していました。

各サービスにはそれぞれ利点があり、通常業務だけを考えれば大きな問題はありませんでした。

しかし、AIが社内情報を利用し、将来的に業務処理まで行うことを考えると、情報、ユーザー、アクセス権限、端末が分散していることが課題となります。

今回、Microsoft 365 Business Premiumを中核として、

  • ユーザー認証
  • Windows端末管理
  • エンドポイントセキュリティ
  • Office
  • ドキュメント管理
  • メール
  • カレンダー
  • チャット・会議

を段階的に統合しました。

その上でMicrosoft 365 Copilotを導入し、社内に蓄積されてきた業務資料をAIから利用できる環境を整備しました。

さらにAI Agentを利用することで、情報検索だけでなく定型業務の効率化へAI利用を発展させています。

単なるクラウドサービスの入れ替えではなく、AIが安全に社内情報を利用できるよう、認証・権限・情報・端末・セキュリティからIT基盤全体を再設計したことが今回の特徴です。

お客様の声

AIを利用したいというところから相談を始めましたが、単純にCopilotを導入するだけではなく、端末管理やセキュリティ、社内資料の管理方法まで見直す必要があることが分かりました。

以前は過去の案件を探す場合、誰が担当していたのかを確認したり、Dropboxのフォルダを探したりしていましたが、社内資料をAIから検索できるようになったことで情報を探す手間が減りました。

また、Windows端末やユーザーもまとめて管理できるようになり、以前より会社全体のIT環境が分かりやすくなりました。

一度にすべて変更するのではなく段階的に移行したため、通常業務への影響を抑えながら新しい環境へ移行できた点も良かったです。

今後はAI Agentも活用し、社員が繰り返し行っている業務をさらに効率化していきたいと考えています。

とくじ担当者コメント

今回最も重視したのは、「どのAI製品を導入するか」から検討を始めなかったことです。

まず、

AIを安全に業務で利用するためには、どのようなIT環境が必要なのか

というところから逆算して設計しました。

もともと利用されていたGoogle Workspace、Dropbox、Slackはいずれも優れたサービスであり、現在の業務だけを考えれば、そのまま使い続けることも可能でした。

そのため、「Microsoft 365の方が優れているから移行する」という考え方ではありません。

一方で、

  • Windows端末管理
  • エンドポイントセキュリティ
  • ユーザー認証
  • アクセス権限
  • Office
  • 社内情報検索
  • Microsoft Copilot
  • 将来的なAI Agent

までを一つのIT基盤として考えた場合、Microsoft 365へ情報と認証を集約するメリットが大きいと判断しました。

特にAI活用で重要になるのは権限管理です。

AIが便利でも、利用者が本来閲覧できない資料までAI経由で参照できてしまえば、企業の業務システムとして安心して利用することはできません。

そこで、SharePointへのデータ移行についても単純なファイルコピーではなく、今後AIから利用することを考えながら情報構造とアクセス権限を整理しました。

また、40名程度の利用者が日常業務を行っている環境を一度に変更すると影響が大きいため、Microsoft 365 Business Premium、SharePoint、Copilot、メール・カレンダー、Teamsという形で段階的に移行しました。

今回の事例を通じて改めて感じたのは、企業でAIを活用する場合、AIは最後に追加する単独の製品ではないということです。

認証、端末、セキュリティ、アクセス権限、業務情報を整備した先にAIがある。

その状態を作ることで、生成AIを単なる便利なチャットツールではなく、企業の業務基盤の一部として利用できるようになると考えています。